【考察】ストレンジャー・シングス シーズン4 vol.1 ヴェクナの正体とは?

ストレンジャーシングス シーズン4ドラマ
引用元:©︎ 1997-2022 Netflix,Inc.

Netflixで好評配信中のストレンジャーシングス。

そのシーズン4前半にて登場し、ホーキンスを脅かした異形の存在ヴェクナ。
今回は本編におけるヴェクナの動向、その正体や背景などをまとめていきます。
筆者の解釈によるところが大きいため、ひとつの考察程度に見て頂ければと。

本記事はシーズン4 vol.1の7話視聴時点で執筆しています。
7話までのネタバレは含みますが、8話9話の内容は含まれておりません。

シーズン4の各エピソード、考察記事のまとめはこちら。

”ヴェクナ”とは

シーズン4 vol.1における異形の敵

今回のシーズン4 vol.1を通して敵役を張るのがヴェクナです。
命名はダスティン達ですね。これまで同様にD&Dのキャラクターから取っています。
彼は裏側の世界のホーキンスにて佇み、確実に犠牲者を増やしていきます。

見た目は人型に非常に近いのですが、焼け爛れたような、剥き出しになった組織のような肉体を持ちます。またその左手は指が長く、異形の存在を際立たせています。

デモゴルゴン、マインドフレイヤーとの違い

シーズン1にて登場したデモゴルゴンや、シーズン2と3に主に登場したマインドフレイヤー。それらとは違い、明確に人間に対して悪意を持っているかのように振る舞います。これまでが化け物だとすると、ヴェクナは知性を持った悪役のように感じますね。

本編における”ヴェクナとして”の凶行

犠牲者の悲惨な最期

シーズン4前半にて、ヴェクナに襲われてしまったのは4人。
ジェイソンの恋人でチアリーダーであるクリッシー。ナンシーとは記者仲間のフレッド。ジェイソンと同じバスケ部所属のパトリック。そしてダスティン達の仲間であり、ルーカスと恋仲にあったマックスです。

マックス以外の被害者の3人はいずれも同じ最期を迎えます。
彼らはヴェクナと精神的にリンクし、その精神世界に引きずり込まれます
その後、いずれも超能力のようなもので、天井に貼り付けられ、手足を折られ、目を潰されます。
その痛ましく悲惨な最期は直視できないほど…。

被害者の中でマックスだけは助かりましたね。ダスティン達やナンシー、ロビンの持ち帰った情報のおかげで、間一髪のところ精神世界から脱出できます。

ヴェクナの精神世界

ヴェクナは被害者を直接手に掛けるわけではありません。
被害者と同じ夢や精神世界のようなものに繋がって、そこで初めて邂逅を果たします。
柱時計の音が響き渡る世界。そこで彼に捕まることで、現実世界においても最期を迎えてしまいます。

ヴェクナの正体

7話にてその正体が明らかになりました。

ヴェクナは、亡くなったと思われていたヴィクター・クリールの長男ヘンリー・クリールであり。
そして、エル達超能力者の子どものオリジナル、001=ワンでもありました。

ヴェクナこと職員の男、ワン

ヴェクナの出生

ヴェクナ…ヘンリーはヴィクターの長男として生まれます。
生来の気質故か、周囲のコミュニティに馴染めないヘンリー。彼には協調性というものが欠落しており、社会の規範を窮屈に感じ孤立していました。

ある時、ホーキンスに引っ越したことで彼とその一家の命運は変わります。
彼は自らに”他者と精神的な繋がりを得られる超能力”が宿っていることに気付きます。蜘蛛に魅了され、捕食者として目覚めたヘンリーは周辺の小動物たちで能力を試し、その力を強化していきます。しかし、その行動は彼の母には怪しまれる事になります。

ついにはヘンリーを施設に入れ拘禁しようとする母。ヘンリーは自らの”自由”のためについには行動を起こします。
母と妹をその手にかけ、その罪を父ヴィクターに着せるヘンリー。しかし、能力の使い過ぎによる反動か、彼はその後昏睡状態に陥ります。

001、ワン

父ヴィクターからは昏睡の後、亡くなったと思われていたヘンリー。しかし、彼は一命を取り留め、その身柄をブレンナー博士に保護されることとなります。

彼の力に目を付けたブレンナー博士。当初はヘンリーの能力をコントロールしようとするものの失敗。博士は彼をコントロールすることは諦めます。その代わり、ヘンリーの能力をオリジナルとした”001″の研究を始めることに。ついにはその能力を持った子ども達を誕生させることに成功。博士はそちらをコントロールする事にします。

その後のヘンリーは訓練をする子供たちではなく、研究所の職員としてブレンナー博士の監視下に置かれることとなります。かつての超能力もブレンナー博士の制御装置によって失われます

何も知らない幼きエルに、その枷から解放されるまでは。

異形への変貌

ヘンリーでもなく、001でもない、研究所の職員として囚われることとなるワン。そこで、過去の自分のように周囲に馴染めないエルに目を付けます
ワンはエルを唆し、最終的にはエルに自身の制御装置をも取り外させることに成功。彼はついに自由となってしまいます。

復讐とばかりに研究所で非道の限りを尽くすワン。彼はエルに対して仲間になるよう説得します。
しかし、彼の思想には共感できないエルに反撃され、ついには覚醒した彼女に裏側の世界へと吹き飛ばされます

裏側の世界へと飛ばされた彼は、赤い雷のようなものに貫かれます。
そして、異形へと変貌を遂げ、今のヴェクナが誕生することとなります。

ヴェクナの考察

ヴェクナの能力

ヴェクナはサイコキネシス的な超能力を持っていますね。これはヴェクナとして被害者に対し用いていましたし、ヘンリー時代にヴィクター一家に対しても使用しています。
何より、ワンとしての覚醒を演じたあの場面で使用しています。

また、他者と精神的に繋がる能力もある模様。こちらはヘンリー時代の彼が両親の欺瞞を見破った他、ヴェクナとして被害者と繋がる際にも使用していると思われます。
その能力を持って、彼は被害者とは現実世界でも裏側の世界でもない、精神世界で被害者と対峙しています。最後のナンシーがヴェクナに囚われた際も、裏側の世界にいるにも関わらずトランス状態に入っています。このことからも、ヴェクナが干渉するのは裏側の世界とも違う異質な世界と推察できます。

能力を行使すればするほど力が強くなっていったと語っていたワン。ヴェクナとなった今、以前よりも力を増している事が考えられます。

ヴェクナの目的

ヴェクナの目的とは何なのか。作中でもダスティンが思案していましたね。
ダスティンの出した結論は、ヴェクナはゲートを量産しているのではないかとのこと。犠牲者を生むことによって被害者と精神的な繋がりを得ることで、ヴェクナは現実世界と裏側の世界を繋ぐゲートを作っていました。現に作中では2つの被害現場にゲートが発生したのを確認できます。
能力の行使によってゲートが開くというのは、過去にエルも行っているので納得ですね。

そして、彼がまだワンだった頃にエルに語っていた内容。人間社会の秩序を嫌う彼は、世界を作り変えたいと彼女に語っていましたね。世界を作り変えるために裏側の世界から侵略…どこかで聞いたフレーズです。

マインドフレイヤーとの共通点

前述の通り、エルに語った内容。それは以前ダスティンが考察していたマインドフレイヤーのそれと酷似しています。世界を自分たちの住みやすい環境へと変えることが両者の目的と推察できます。

また、ヴェクナもマインドフレイヤーもどちらも蜘蛛に関連がありますね。ヴェクナは触手と合わせて見たその姿は、まさに蜘蛛の巣に巣食うその主の姿。マインドフレイヤーについても、過去に登場したデザインはいずれも蜘蛛に近しい姿でした。

ダスティンはデモゴルゴンの事を歩兵とし、ヴェクナを裏側の世界における元帥と称しました。この場合、ヴェクナとマインドフレイヤーとの関係は一体どうなるんでしょうか。過去に裏側の世界のハイブマインド構造が説明されている以上、両者が無関係という線はないと思っています。
ちなみにハイブマインドとは、SF作品群でたまに見られる集合精神の事がこう呼称されています。個体の意識がなく、集団がひとつの意識の下で動いているものが特徴だとか。

マインドフレイヤーの下にヴェクナがいるよ説

ひとつは、超常的な存在であるマインドフレイヤーの配下にヴェクナがいるっていう説
作中の描写の規模でいうと納得いったりもします。
人を簡単に操り、巨大な肉の塊をも動かすまさに超常現象レベルの存在マインドフレイヤー。シーズン3では肉の塊は倒されましたが、そもそも以前ウィルが幻視していたマインドフレイヤーの本体が倒されたのかは未だ不明だったり。
この説の場合、ヴェクナを取り込んだタイミングはワンが裏側の世界へ飛ばされたタイミングでしょうか。赤い雷に貫かれたシーンを説明できるのも、この説。

ただ、説明が難しい点として、ヴェクナが裏側の世界に接触する前から件の思想を持っていたこと。マインドフレイヤーに操られた人間としてみるには、あまりにも性格的変化がなく個性が残りすぎています。

ヴェクナがマインドフレイヤー作ったよ説

もうひとつは、彼がヴェクナに変貌した後に、裏側の世界にてマインドフレイヤーを始めとした軍団を作った説。
彼の思想が反映された化け物達と考えると辻褄が合いやすい気もします。個人的にはこっちの方が面白いかなと。
蜘蛛の意匠が共通している点も、たまたまではなく蜘蛛を好んだ彼が作ったからだと考えると納得はいきます。

また、ヴェクナは現在のところ活動する際は常に精神世界の中なんですよね。裏側の世界ですら人を襲っている描写はありません。何らかの原因で自由に動けないヴェクナが、動きやすいマインドフレイヤーやデモゴルゴンを作ったと考えると腑に落ちますね。

この説で説明がつかないのが、ヴェクナと化す際の件の赤い雷のシーン。結局のところ、裏側の世界にもとより別の存在がいた可能性を排除しきれません。

まだまだ謎は多い

かなり明かされたように感じるヴェクナですが、依然ほとんどは謎のままだったりもします。

エルに飛ばされてからの約7年間、彼は一体何をしていたのか。
そもそも超能力のきっかけとは何なのか。
なぜ裏側の世界で生きていけたのか。
…などなど、挙げだすとキリがありません。

この辺りの考察も、裏側の世界と超能力の関係などがわからないと難しいかなと思いました。
未だ不明瞭な点も多いので、早く続きを見たい…!

余談

シーズン1でウィルを攫った異形?

みなさんはシーズン1の1話で、ウィルが裏側の世界に誘拐される際のシーンを覚えていますか?
あの時、自宅へ逃げ込んで施錠したウィルでしたが、ドアの鍵が超能力のようなもので開けられるシーンがあります。
デモゴルゴンやマインドフレイヤー達は超能力は有していないはず。そして今シーズンのヴィラン、ヴェクナは悪役としては初めての超能力者。ここから考えられるのは…?

とノリノリで書きましたが、さすがにただのホラー演出だったんだとは思います。シーズン1ではジョイスが幻覚のような恐怖演出にさらされるシーンがありますしね。
考察レベルではない、ちょっとした余談でした。(笑)

エルム街の悪夢との共通点

今回のこのヴェクナという悪役。ホラー映画「エルム街の悪夢」に出てくる悪役、フレディ・クルーガーと似通って感じる方は多いのではないでしょうか。

焼け爛れたような皮膚や、夢のような精神世界で干渉してくる点。また、片手が凶器のように発達している点もそうですね。あとはワンが裏側の世界に飛ばされた事を倒されたと解釈すると、どちらも一度倒されてからの復活と捉える事も出来ます。

そして何より、フレディ・クルーガー役を演じていたロバート・イングランドが本シーズンには出演しているんです。
気になる配役ですが、ヴェクナことヘンリーに陥れられる彼の父、ヴィクター・クリールを演じられてました。ご本人のエッセンスを含む悪役にハメられてる配役とは、何とも意味深に感じますね。(笑)

まとめ

シーズン4を象徴するヴィラン、ヴェクナ。
その人気は今までのシーズンのモンスター達とはまた違ったものとなりそうですね。
邪悪さも今まで以上であり、ホラー要素としては過去最大だったんじゃないでしょうか。

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